こんにちは、NKGarden植物男子Kです。
先日、テラスハウスという番組に出演されていた木村花という22歳の女性がSNSでの誹謗中傷を苦に亡くなられたという悲しい報道がありました。
今回はこの件について自分の思うところを書いていきたいと思います。
ネット上の誹謗中傷が慢性的な社会問題となっている。
木村花さんの事件
冒頭でも書きましたが、人気女性プロレスラーでテラスハウスという番組に出演されていた木村花という22歳の女性が23日亡くなったというという悲痛な報道がありました。
原因はSNS上での誹謗中傷だといわれています。テラスハウスという恋愛番組に出演していた本人に対し、心無い視聴者から1日100件以上の悪口や罵詈雑言がツイッターに寄せられていたようです。
人気プロレスラーで芸能界でも成功を収めようとしていた矢先の悲劇で、この事態をうけて芸能界や多くの方から悲しみと怒りの声があがっていました。
自分はテラスハウスという番組は見ていませんが、22歳の才能豊かな強く優しい女性がこんな形で自ら命を絶たなければいけない状況になったことが残念でなりません。心からご冥福をお祈りします。
ここからは今回の事件の裏側にあるSNS上の暴言や中傷の問題について考えます。
問われるネットにおける暴言と匿名性

この事件はあまりにも心が痛む事件としか言いようがないのですが、今も昔もネットでの暴言やいじめのような問題は存在しています。
古くは2ch掲示板などにおける罵詈雑言などが有名だったように思います。しかしどちらかというとパソコンに詳しいコアな層が、アングラでやりあっていたというイメージでした。
しかし最近はツイッターやインスタグラムなどが女性や子供など多くのユーザーに利用されており、SNSの利用者数が爆発的に増えるにつれてこのようなトラブルも増えているのではないかと思います。大人から子どもまでが顔の見えない匿名の空間でつながる中で、個人攻撃やいじめというような状況が起こりやすくなっているのではないかと感じます。
このような事態をうけて、ネットの匿名性が議論されたり、ツイッター社など管理者がSNS上の暴言、いじめをもっと厳密に管理するようにするべきなどの論調もみられています。
確かに匿名性がなくなれば、このような攻撃ができる人はほとんどいなくなるでしょうし、管理者が暴言に迅速に対応すれば表面上は平和がもたらされるでしょう。しかし匿名性ゆえに参加する人がいたり、匿名性ゆえの忌憚のない意見は有用な面があり、匿名性さえなくなれば解決という単純な問題ではないのもまた事実です。
(全員実名性だったら、波風たてるようなこと思ってても言わないですよね。)
社会的の閉塞感とストレスが根本的原因
このような罵詈雑言をする人はとんでもない悪人なのでしょうか?おそらくそうではないと思います。統計的なデータを示すことはできませんが、おそらく誰しもネット上で誰かを口汚くののしった経験の一度や二度はあるはずです。
芸能人や政治家、例えばホリエモンや安部首相、韓国人などに対するヘイトコメントはYahooコメントなどで毎日のようにみられています。当然ですが、ホリエモンだから、安部首相だから、韓国人だからヘイトしていいわけではありません。
このような自分の現実と離れた存在に対して罵詈雑言を浴びせたり、攻撃をする理由はなんでしょうか?おそらく一言で言えばストレス解消。日常のちょっとしたストレスや不満のはけ口だったりするものです。
[誹謗中傷をすることの効果と代償]
誰かを馬鹿にすることでストレス解消??
人がなぜ見知らぬ他人の失敗を見て、誹謗中傷や悪口を書き込みたくなるのかというと、他人を攻撃することでアドレナリンが分泌されることが関係しているのではないかと思います。
戦いのホルモンであるアドレナリンが放出されると、全身の血流が増加し、気分も一時的に高揚します。頭にかぁーっと血が上るのを経験したこともあると思いますが、あのような状態です。
日常的に強いストレスにさらされている人は、軽いうつ状態になっていることが多く、うつっぽく元気がないか逆にすごくイライラしている状態になります。
そんなとき、芸能人がわかりやすい悪を演じたり、政治家がろくでもない政治をしていたらどうでしょうか?分かりやすい悪を攻撃することで自分を正当化しつつ、自分に免罪符をもって他人を攻撃しやすい状況になります。
悪気なくSNS上で他人を攻撃する理由はおそらくそんなところではないでしょうか。
人を呪わば穴二つ。確実にうつ病、認知症に近づきます。
そんな「悪意なき」SNS上での攻撃ですが、残念ながら人を呪わば穴二つ。
確実に攻撃したひと自身にもダメージを与えます。相手を攻撃することはストレス解消のようでありながら、自分の体にストレスを与えているのです。
結論をいうと脳が委縮し、うつ病、認知症に繋がることが最近の研究で明らかになっています。悪口を言っているとどんどん自分もうつっぽくなり、さらに悪口をいってさらに脳が縮んでいってしまうのです。
それにはストレスホルモンであるコルチゾールが関連しているのですが、興味のある方は下の動画が分かりやすいので参考になさってみてください。
参考:NHK 病の起源 うつ病
今回の事件を考えてみると他人への攻撃を行った人がそのような状況に陥っていくのを因果応報と思うのも無理もありません。自分も今回の事件に関して誹謗中傷を行ったひとに対し怒りを覚えますし、許されない行為であることは間違いありません。
でも、そのようなストレスを受けている普通の人を責めるだけではおそらく根本的な解決にはならないように思います。
誹謗中傷をする人を減らす根本は救うことだが

このような人をなくすためにどうすればいいのでしょうか
弱い人を狙うなと伝える?
例えばサッカーの本田圭祐さんに関する記事では
本田は、自身のツイッターで「誹謗中傷をする人へ」と綴り、「弱い人を狙うな。誹謗中傷はやるなって言ってもなくならないし、なのでやってもいいからちゃんと強い人を狙うこと」と発言。そのうえで「結論」として、「俺んところに来い。そして末長く誹謗中傷のプラットフォームとして使用してください」と続けた。
と書かれたと言われています。
本田さんらしい力強いメッセージです。
しかし残念ながら、誹謗中傷をする対称はその人にとって落ちぶれた有名人だったり、わかりやすい悪を演じている芸能人だったりするので、強くて正しい人を攻撃したりはしません。それをやってくるのは本格的におかしい人だけでしょう。
脳が縮む?そんなの関係ねぇ!という人もいる。
では悪口が体に悪いと知ることで抑止力になるというのはどうでしょうか?
残念ながら煙草やアルコールが体に悪いと知ってもやり続ける人がいるようにあまり決定的な効果にはならないように思います。
でもそれに気づいてやめてくれる人が少しでもいればいいのですが・・・
徹底的に罰する
SNS上で悪口を書き込んだら、実名を公開し、懲役何年、罰金何万円とすれば解決するでしょうか?たしかに表面的にはなくなるかもしれません。
でもSNS上は極めて神経質な空間になり、Yesコメントしか見られなくなり、おそらく衰退するでしょう。それにはけ口を失ったストレスがどのような形で表面化するのかは未知数です。
根本的な改善策は一人一人が今より強く、賢くなること

普通の人がストレスによって他人に攻撃的になってしまうことがSNS上の誹謗中傷の原因だとすれば、根本的に改善するためには人一人一人が心おだやかに過ごせていることになってきます。
かなり非現実的で途方もなく、到達不可能なように思えますが、根本的に解決しようと思えばそのような方向性が必要になってきます。
ストレスというのは自分の能力と環境のギャップから生まれるものです。正直すべての人にギャップをなくしてあげるというのは難しいかもしれません。でもすくなくとも自分自身について、今より少しでも仕事やお金や人間関係についての対処能力を高め、ストレス対処能力を少しでも高めることで、SNSでの加害者になる可能性を減らせるのではと思います。
ただ個人が出来ることには限界があります。国や社会を作っていくリーダーのリーダーシップには期待したいところです。
結論としては
・短期的には匿名性による弊害をルール変更や罰則によって減らしながら、
・長期的には多くの人がストレスなく過ごせるようにするための教育や環境づくり
今まで長年かかっても解決してこなかった問題で簡単に解決するものではありませんが、これらのことにより、このような悲しい事件がさらに起こらないことを祈りたいです。
被害を受けたら一人で悩まず相談を

最後になりましたが、もし実際このようないじめや誹謗中傷を受けているという方は、一人で悩まずぜひ友人や親兄弟に相談してください。
一人で悩まず、誰かに聞いてもらうこと。弱くてもいい、情けなくてもいい、あなたには本当に価値があります。生きていてください(*‘ω‘ *)