投資

やってはいけない新築ワンルームマンション投資の誘いがやってきたので考える

こんにちは、不動産投資素人のKです(*’▽’)

 

本日、我らが両学長さんの出された本が届きました。

 

ぱらぱらっと読んで、うんうんと言いながら読んでいたわけですが、その中のお金を増やす編「人生が終わる!絶対やってはいけない投資、○○投資には手を出すな!」という項目がありました。

 

やってはいけないのは不動産投資の一種で新築ワンルームマンション投資。利回りが低い上に隠れたコストを計算していないために騙される人が多いのだというお話でした。

 

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両学長さんも警鐘をならしてくれていますが、Youtube等を見ていればワンルームマンション投資は絶対やってはいけないという動画がいくつも上がっています。

 

実は、僕も新築ワンルームマンション投資をやらないかというお誘いを知り合いの方から受けたことがあります。

 

税率が高いのでたくさん節税できる。生命保険替わりになる。立地のいいところだから値段は下がらない、家賃もサブリース契約だから下がらない、新たなるステージに進もう、というお決まりのお誘いの文句のオンパレードに、脳死しそうになりながらなんとかこらえていました。

 

そこで今回は、実際にお誘いを受けたときに見せられたデータを一部改変したものを、プロの方の出していただいている情報を基に、見様見真似で検討してふりかえってみるというお話です。

 

「普通はダメなワンルームマンション投資も税率が高いから節税額が違います」という理由で特別感を出されて騙されてしまわないように考えるべきポイントをまとめつつシュミレーションしてみました。

 

注)なお不動産投資に関する知識は浅く、これだけを信じずしっかり勉強してから自分でも判断なさってみてください

 

ワンルームマンション投資に必要な考え方を学ぼう

ワンルームマンション投資の考えるには、物件の利益を示す収支計算や節税などに関連する損益計算などの知識が必要です。また長期に保有することに関するお金の流れや出口戦略も知っておく必要があります。

ここではそれらを勉強させていただいたYoutuberさんをご紹介させて頂きます。

○住宅FP関根氏

収支計算と損益計算の考え方と将来に向けたキャッシュフローの考え方を解説してくれています。

・投資用マンション節税効果とは【初心者むけ】

https://www.youtube.com/watch?v=K70puKmhcf4

 

・ワンルームマンション投資が難しいのは3つの計算が必要だから

https://www.youtube.com/watch?v=CVDcbcmb-t0&t=183s

 

・ワンルームマンション投資2つ目の計算 損益計算とは?

https://www.youtube.com/watch?v=sFigenx8EoI&t=465s

 

・ワンルームマンション投資の節税効果 所得税・住民税を計算

https://www.youtube.com/watch?v=vrprxPyEFHg

 

○不動産投資家 山内真也氏

収支計算の考え方を詳しく説明してくれています。

不動産投資講座①「知っていますか?収支計算についての正しい知識」

https://www.youtube.com/watch?v=wBmXUEViJ2I

 

○ウラケン不動産 浦田健氏

新築ワンルーム投資はやってはいけない本当の理由!なぜかエリートがはまる不動産投資の罠を徹底解説

https://www.youtube.com/watch?v=rw23PQ5G3pg

 

実際に来た新築ワンルームマンション投資の話

ワンルームマンション投資というものをご存知でしょうか?

不動産投資の一つで、現在では儲からない投資の代名詞と言われる悪名高い投資商品です。

 

銀行からお金を借り、新築ワンルームマンションに投資してオーナーとなり、家賃収入を得ていくというお話ですが、不動産の値段が高くなったため、現在は利回りが低すぎて儲からない物件が多いようです。

 

そのため必要な運営費を説明にせず、表面的な収支を提示し、節税になる、生命保険になるという営業トークで医者や高収入のサラリーマンなどの末端のカモに売りつけるということがよくあるそうです。

 

そんな投資商品を知り合いから勧められたのですが、なんとか買わずにやり過ごしました。ここではそのワンルームマンションについて検討してみたいと思います。

 

 

実際に提示されていた書類はこちら。

  注)個人の年収、価格等のデーターは改変しています。
 ★一番下にポイントをまとめていますので面等な人は飛ばしてください。

 

—————————————————————————–

・新築ワンルームマンションを3戸購入

価格は1800万円×3=5400万円

諸費用       200万円

合計       5600万円

頭金     1500万円

借り入れ   4100万円 1.6% 35年ローン

 

・税金額について

年収1500万円(仮)の場合

★マンション所有前

所得税 1086万円 × 33% -153万円 = 約205万円

住民税 1091万円 × 10%       =  約109.1万円

 合計314.1万円

 

★3室所有の場合

○収支計算

収入)家賃18万 ×12=216万円(年間) サブリース契約

支出)ローン返済12.8万円×12=153.6万円(年間)

毎月の収支:家賃18万円-ローン返済額12.8万円=5.2万円

 

○帳簿上経費

・金利分(建物部分。1年分)  約61.8万円

・減価償却費(建物・付属設備) 約123.9万円

・租税公課とその他経費     約204.5万円

合計     390.2万円

 

よって確定申告に記入する不動産所得は、

家賃216万円-経費 390.2万円=約174万円の赤字が出る

不動産の赤字所得は総合課税より所得合算されますので、課税対象額は、

 

所得税 1086‐174= 912万円

住民税 1091‐174= 917万円

➡912×33% ‐153 = 約148万

➡917×10%     =  約 91.7万

よってマンションを持った場合 合計239.7万円

 

つまり314.1-239.7=74.4万円の節税ができている。

 

・マンション経営による実質年間収支は?

年間収支 約5.2万×12=62.4万円

所得税・住民税の年間節税額➡74.4万円

よってマンション経営による実質年間収入は 136.8万円(年間)

 

————————————————

 

▼ポイントをまとめると

・年収1500万(仮)の方の場合

・1800万円(仮)の新築ワンルームマンションを3戸、諸費用200万円の合計5600万円を

・頭金1500万、4100万円を金利1.6%、35年返済で借り入れし購入すると

・年間の収支は+62.4万円、年間の節税額は 74.4万円。合計マンション運営により実質の年間収入は 136.8万円である。

さらに知り合いから伝えられたのが

・租税公課とその他は1年目だけであること。

・減価償却費については 土地:建物=3対7

さらに建物の設備:本体部分=3対7と補足がありました。

設備は15年で償却、本体部分は47年で償却するとのことでした。

・立地が良く、値段は下がらずむしろ上がっていく

・家賃はサブリースなのでずっと一定

とのこと。

尊敬する方からのお誘い、今すぐ紹介できるよとのこと。

 

しかし・・・

 

これは・・・あかんやつーー(/ω\)

 

サブリースなんて詐欺の代名詞ではないのか?

小さくいつでも見直せるって書いてるやつやんけ?

 

それに値段が下がらないなんて35年後のことは分からないではないか…

減価償却?節税?うーん。はっきり分からん…

 

当時の僕は、新築ワンルームマンション投資はダメだということは聞いていたものの、何がどうダメなのか自分で考えることができない状態だったので、

 

メモを取って必死で調べました(*ノωノ)

 

結論を言うと、申し訳ないなと思いながら話はパスさせていただいたのですが、何事も誰かが言っていたからでは、いざ突っ込まれるともろいもの。

 

 

何がダメなのかを自分なりに説明してみたいと思います。

なお、計算はかなりアバウトで、漏れている項目も多いと思いますので、参考までにお願いします。

 

この物件の収支計算と損益計算をやってみる

業者さんが提示してくれたワンルームマンション運営は実質年間136.8万円のプラスでした。

 

紹介してくださった方も、1年目に大きな経費がかかり節税ができるけど、その後は節税額が下がるということは認識されているようでしたが、減価償却費がそのまま節税できるように説明されていました。

 

実際のキャッシュフローをしめす表もなく、かなりアバウトな認識だったように思います。

ここでは実際にこのマンションを買ったときのことを出来る範囲でシュミレーションしてみます。

 

 

◆収支計算

まずはこの物件の収支計算をしてみます。

諸費用と物件価格を合わせて5600万。

それに対して1500万の頭金をいれてローンを4100万円分、金利1.6%で借り入れます。

 

▼年間の収支を計算

家賃6万円が3室なので216万。

業者さんの提示されたものはここで終わっていますが、

 

空室リスク5%

サブリース契約を採用しているため言いようによっては家賃は下がらず、空室リスクも0となるかもしれませんが、実際に退去が出た場合に1か月分の家賃が止まったり、回りの物件の家賃相場が下がったときにサブリースの家賃の見直しがなされるというのはよく聴く話なので、リスクとして計上します。

 

・運営費20万

業者さんの説明からは省かれていますが、マンション運営には、管理費、積み立て修繕費、管理手数料、固定資産税、火災保険、広告費等の経費が必要です。

実際の物件の詳細データがないため大まかに同様のケースを動画内から参考にさせていただき、1部屋あたり20万としました。

注)更新料、広告費、火災保険などは省いています。

 

・ネット収入145.2万円

家賃216万円から空室リスクと運営費を引いたものが営業純利益NOI(Net Operating Income)いわゆるネットの収入になります。

 

・借り入れ返済 153.6万円

4100万円を金利1.6%の35年ローンで元利均等で借り入れたときの年間の返済額です。

家賃収入から空室リスクと運営費、返済を差し引いた収支計算を行うと1年目から8万4000円の持ち出しが発生しました。

 

▼損益計算

・家賃は年間0.5%下落する想定。

家賃ですが、サブリース契約による家賃が下がらないという説はいったん無視して、概ね年間0.5%ずつ家賃が下がっていく計算で検討します。

新築時6万だったものが、35年後に家賃5.1万円になる計算で、大阪では常識的にそんなものかなと思います。

 

・減価償却費の検討

損益計算では、物件の建物部分の価値を鉄筋コンクリートのマンションであれば47年、設備は15年で減価償却費として経費として計上することが出来るようです(?)

 

僕が伝え聞いた本体と設備の比率を7対3で計算したところ、どうしても減価償却費が多めに出てしまうので、本体と設備の比率を75対25として計算。

 

これにより年間の減価償却費は125.3万円と業者提案のものに近くなりました。

 

・金利部分の変動…

出典:Ke!san様

実際の金利はこれを足し合わせていけば正確なのだと思いますが、今回は簡易的にエクセルで35年後におおよそ0になる様に適当に設定しています。

 

▼損益計算と収支計算のシュミレーション

改めて初年度のものから見ていくと

 

初年度は諸経費が多くかかるので74.9万円の節税ができ、収支計算は8.4万のマイナスですが、節税効果を含めた収支は+になっています。

その後急激に節税効果は落ちるものの、4年目まではトータルではプラスで推移するものの5年目からは節税効果を家賃収入の下落による収支の悪化が上回り始めます。

 

▼16年後からは地獄

いわゆるデットクロスというものなのでしょうか。相変わらず収支はマイナスが続く上に、設備の減価償却が終わる16年目からは減価償却費が半減してしまい、損益計算上は利益が出てしまっています。

 

そのため手出しが続いているのに、税金を納めないといけないという悲しい時代が始まります。15年目まで節税効果と手出しはほぼ同等がくで推移しましたが、ここから一気に損失が膨らんでいきます。

 

 

▼ローン返済完了時には1089万円の手出し+納税額に

35年ローンを払い終わるころには自分の財布から合計872万を補填したうえ、帳簿上はもうかっているため節税額を上回りトータル217万の納税が起こっています。

 

この状況を僕の中で今有名なYoutuberの方の言葉で表すとすれば

 

もふもふ不動産のモフさん 「楽しいですよね😎(笑)」

第14回 不動産投資の基礎②~新築ワンルームマンション投資のシミュレーションを不動産投資家が解説。

https://www.youtube.com/watch?v=NzqzLWSADb8

 

 

バフェット太郎さん 「そんなの完全に情弱旧人類のやることなんでゼッタイやめてほしいんですけど」

10万円の給付金から始めるはじめての株式投資

https://www.youtube.com/watch?v=BL0GKyjau4c&t=669s

 

 

FP関根さん 「終わってるってわかってますか?」

ワンルームマンション投資 45年ローン組む人終わっています

https://www.youtube.com/watch?v=JE-NWykJXh8

 

 

両学長 「ぜったいにやってはいけない投資」

 

となります。

サブリースの契約をまったく信じず辛口の計算をしているとはいえ厳しい結果です。

 

 

▼36年目からは手出しを取り戻す日々が始まる

 

36年目からは仕事をやめたという設定で所得税5%として計算しています。

 

そうすると下の収支計算では112.2万の黒字となり、損益計算から出された納税額はわずか8.8万円で年間100万以上のプラスとなります。

 

ただし、空室率と経費が一定でいけるのかという疑問は残りますが…

 

 

▼46年目、ついにトータルの収支が+に

46年目、収支計算が315万のプラスとなり、納税額の総額307万円を超えます。

ここからどんどん収益を生んでくれるお部屋になります。

 

ただ、1500万の頭金を入れているのに対して、その時の物件価格はどうなっているのかを想像すると、3室で年間収入172万に対して、現在同クラスの利回りは15~25%程度。収益還元法で割り戻すと売却価格は688万円~1147万円。

 

手数料もかかることを想像すると、この時点でも投資した額を回収することはできていません。わかりませんが、築50年まで運用したらトントンかもしれないですね。

 

最初の1500万を株式投資していたら…?

ちなみに1500万の頭金を仮に4%複利の投資信託にでも入れておくと

50年後には1億円を超えています(*^^*)

 

どちらもあくまでシュミレーションですが、

 

ワンルームマンション投資よりは株式投資の方が

 

楽しそうですよね( ̄▽ ̄)

 

まとめ

みなさんが口を酸っぱくして言うワンルームマンション投資だけはやめておけという言葉。

「高収入のあなたは他の人と違う収支があるんです」なんて甘い言葉に乗せられてくれぐれもやってしまわないように注意したいですね。

最後までお付き合いいただきありがとうございました(^^)

 

ABOUT ME
植物男子K
植物とDIYをこよなく愛する植物男子兼精神科医。 大学時代は和食さとで料理と自炊の腕を磨く傍ら、水にぬれたプリント化粧板の家具がふやけたことに衝撃を受け、本物の木の家具に憧れを抱くも、高すぎる大塚家具に絶望しDIYに目覚めた過去を持つ。

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